【iDempiere PJ Reports】ワールドカンファレンス(1日目)メモ

 iDempiereコミュニティーのWorld Conference(ワールドカンファレンス)が2015年9月3日(木)と9月4日(金)の2日間にかけて、ドイツのクレーフェルトで開催されました。ここでは1日目の様子をお伝え致します。

開会の挨拶(Opening Speech)

ワールドカンファレンスの主催者のトーマス氏(ドイツ)による開会のオープニングスピーチでワールドカンファレンスがスタート!

過去のカンファレンスからのiDempiereの改善点や新機能の紹介:Carlos Ruiz氏(Colombia)

オープニングスピーチに次いで、iDempiereレポジトリのメンテナーであるカルロス氏より、広がっているiDempiereコミュニティーの現状と、前回のワールドカンファレンスからのiDempiereの改善点についての説明がありました。

広がっているiDempiereコミュニティーの現状説明

  • iDempiere3.0へのアップグレードはこれまでの慣習により2015年10月31日を予定している。
  • 2015年9月1日の1日で800人近い人がGoogle Groupのフォーラムを利用している。Google Groupのフォーラムには一カ月間で300以上の投稿がある。
  • 毎週500回以上ソースフォージからダウンロードされている。
  • OpenHub(https://www.openhub.net/p/iDempiere)によれば、100人以上のコントリビューターがいて、とてもアクティブなオープンソースと評価されている。
  • iDempiereのソースコードを管理しているビットバケットでは、100近いフォークがされており、200人以上のWatcherがいる。
  • などなど…

過去のカンファレンスからのiDempiereの改善点や新機能の紹介

メモ

  • カルロス氏は、OSにUbuntuを使用している。
  • タブの名称の表示ロジックは@DateAcct<yyyy-MM-dd>@などと記述するとフォーマットも指定できる。
  • インポートテンプレートを利用する場合は、キーとなるカラムには"Value/K"のように"/K"と記述すると良い。
  • レポートのテーマが設定できるようになっている。
  • Info Windowの検索でタイムアウト時間がコンフィグ設定でできるようになっている。
  • などなど…。

ビールの生産管理の事例紹介:Thomas Bayen氏(Germany)

トーマス氏より事例紹介。

iDempierリポジトリのメンテナーであり、リーダーの一人のカルロス氏によれば「iDempiereはプロジェクトの名前なので、ユーザー企業に導入する場合やiDempiereのディストロ(ディストリビューション)を作成する場合には、iDempiereという名前ではなく、独自の名前を付けて欲しい」との事で、トーマス氏の事例紹介でも独自のロゴやUIデザイン施されており興味深い。※「iDempiereはプロジェクトの名前」という趣旨は、もう一人のリーダーのRed1氏も以前同様の事を私に言っています。

アイコンがすべて変更されて、とてもスマートな印象のシステムになっている。

アイコンなどのデザイン系のカスタマイズもされている
アイコンなどのデザイン系のカスタマイズもされている

ECサイト等との連携事例紹介:Hans Riess氏(Germany)

データ連携に関するディスカッション:進行Chuck Boecking氏(USA)

  • Magentoとの連携がiDempiereコミュニティーでは熱い様子…
2メートル近いチャック氏がオーバーリアクションで展開する進行はいかにもアメリカ人らしい。
2メートル近いチャック氏がオーバーリアクションで展開する進行はいかにもアメリカ人らしい。

本番環境へのiDempiereのインストール:Chuck Boecking氏(USA)

  • 1000ユーザーの同時接続を目指すならOSはWindowsよりLinuxが良いのではないかとのこと。っそしてDBはDBサーバー専用のマシンを用意し、アプリケーションサーバーにはiDempiereだけがインストールされているのが理想。そしてApache/HAProxyをTomcat/Jettyのロードバランサーとして使用するとの事。
  • pool of WebUI Servers(DBとの接続(コネクション)をWebUI Server毎にPoolしろってことかな?????)→PG-Pool2についても言及しているけど…。
  • Dedicated services server
  • DBのreplicationもしてねとの事。
  • http://www.chuckboecking.com/idempiere-open-source-erp-linux-installation-really-easy-2/を参照してねとの事。ざっくりとした手順は次のような感じ…。
  • Create DB Server(link to website)
  • Create services application server first
  • Create HAProxy Server
  • Create as many WebUI servers as in needed
  • Create monitoring server
  • →Monitoring and graphing DB And JVM
  • OpenVPNとPFSenseについても言及有り…。
  • などなど…

セキュリティについて:Carlos Ruiz氏(Colombia)

  • http://wiki.idempiere.org/en/Securing_iDempiere
  • 間違ったパスワードを入力してくるIPアドレスは制限しよう。
  • メニューツリーによるアクセス制限はセキュアではないので職責(Role)で制限すべき。
  • セキュリティーホールになりそうなところは、RoleのAccess Advancedフラグで制限してしまうのもひとつの手だよ!
  • などなど…

Magentoとの連携事例紹介:Deepak氏(India)

 Magentoとのデータ連携の議論がとても盛り上がったので、ここでディーパック氏(インド)が飛び入りで、Magentoとの連携事例紹介。

左側がiDempiereリポジトリのメンテナーであるカルロス氏(コロンビア)で、右がディーパック氏(インド)。
左側がiDempiereリポジトリのメンテナーであるカルロス氏(コロンビア)で、右がディーパック氏(インド)。
Break Time
Break Time

 休憩中のひとコマ。真ん中で議論している左側がロバート氏(スロバキア)で右側がアシュリー氏(モーリシャス)。ロバート氏の会社は以前、このブログでも紹介したMULTIMAGE社。アシュリー氏はiDempiereのシステム内にコントリビューターとして名前が掲載されているほどの人で、Web-UIの開発した中心人物の一人。ソースコードの至るところにアシュリー氏の名前を発見する事ができ、「ZKでわからない事があったら聞いてくれ」と気軽に話してくれる。

 それにしても、アシュリー氏が技術的な事を話すときの”目の輝き”は尋常ではない!熱い思いと、本当に好きなんだなというのが言葉ではなく伝わってくる。

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