JPiere消費税関係カスタマイズ

 ここではオープンソースのERP iDempiere(アイデンピエレ)の日本商慣習対応ディストリビューションである、JPiere(ジェイピーエール)に施されている消費税関係のカスタマイズについて紹介しています。

iDempiereの消費税等の機能

世界中の消費税に類似した税金(間接税)が処理できるようになっている

 iDempiereの消費税等の標準機能は、とても多機能で、世界中にある消費税に類似した税金(間接税)を処理できるようになっています。しかしながら、税金の話であり、国によって細かな違いはありますし、これからも改正される事もあるでしょう。そのためiDempiereでは、iDempiereが消費税等を処理する基本的な機能を提供しつつも、独自の処理が組み込めるようになっています。

 充実している標準機能と、独自のロジックを組み込めるアーキテクチャによりiDempiereは世界中の消費税等の処理が行えるようになっています。

 iDempiereの消費税等の標準機能ついては、下記のコンテンツを参照して下さい。

参照

iDempiere(アイデンピエレ)の税金設定と税額計算

JPiereの消費税関連の主なカスタマイズ

軽減在率対応

 2016年4月現在、日本では軽減税率の導入が検討され、導入がほぼ確実な状況になっています。iDempiereでは標準機能で品目別の消費税率設定ができますので、特別なカスタマイズをしなくてもそのまままで軽減税率に対応できます。

 

受注伝票では、税率毎の明細金額の合計を求めて消費税額を計算し保持します。
受注伝票では、税率毎の明細金額の合計を求めて消費税額を計算し保持します。

適格請求書等保存方式(インボイス制度)対応

売り手側の処理として、適格請求書を発行する事ができるのはもちろん、買い手側の処理として、仕入先が適格請求書発行事業者かどうか区分管理して、仕入税額控除額の計算を行いやすくしています。

◆売り手側としての対応

 売り手側として、適格請求書を発行するために必要となる情報は、iDempiere/JPiere内に保持しています。そのため、あとはその情報をもとに請求書を発行するだけです。

 iDempiereでは、ジャスパーソフトスタジオで作成したレポートを出力できるようになっていますので、適格請求書と認められる請求書を発行できます

参照

◆買い手側としての対応

 買い手側としては、仕入税額控除の計算を行うために、取引を適格請求書発行事業者かどうかで区分管理する必要があります。そのためJPiereでは、仕訳データに適格請求書発行事業者かどうかの情報を保持するようにしました。

参照

伝票の明細と仕訳データに課税標準額と税額の保持

伝票の明細と仕訳データに、明細毎に計算した課税標準額と税額を保持して、消費税の処理が正しく行われているかどうか確認しやすくしています。

売上請求伝票明細
売上請求伝票明細

【補足説明】伝票単位の消費税計算と明細毎の消費税計算

iDempiereの標準機能では、伝票単位での消費税計算と、明細毎の消費税計算を選択できます。

  • 伝票単位での消費税計算 … 明細金額を税率毎に集計してから消費税を計算して、伝票の消費税額とする計算方法。
  • 明細毎の消費税計算 … 明細毎に消費税を計算してから税率毎に集計して、伝票の消費税額とする計算方法。

伝票単位での消費税計算を選択している場合には、伝票の明細と仕訳データに保持している課税標準額や税額は端数処理の関係で、数円ズレる可能性はありますが、参考値として保持しておく事は、消費税の申告書を作成する際の確認としてとても便利です。

出納帳での消費税計算

 iDempiereの標準機能では、出納帳(Bank Statement/Account Book)では消費税の計算が行えません。 しかしながら、出納帳を小口現金出納帳として使用したり、銀行への支払手数料等を処理する場合には、消費税を計算し、自動仕訳が起票される機能は必要です。そのため、JPiereでは出納帳で税額計算を行い、仮受消費税/仮払消費税の自動仕訳が起票できるようにカスタマイズしています。

参照

 

振替仕訳伝票での消費計算

 iDempiereの標準機能では、振替仕訳伝票では、消費税の自動計算は行われませんが、明細に税金情報マスタを入力する事で、消費税を自動計算できるようにしています。

参照

 

消費税の端数処理選択

 iDempiereの標準機能では、消費税/間接税の端数処理は四捨五入されます。日本の消費税法には端数処理に関する規定はありませんので、消費税の端数処理は四捨五入で問題ありませんが、実務上、切捨てにする事が多いようです。そこでJPiereでは消費税の端数処理を、切捨て、四捨五入、切上げなどを選択できるようにしています。

参照

 

外税と内税の明細の混合対応

 iDempiereでは、受注伝票、売上請求伝票、発注伝票、仕入請求伝票で、 消費税が計算されています。その際に、伝票ヘッダにあるプライスリスト により、伝票単位で内税か外税かの消費税処理が決定されます。 しかし場合によっては内税と外税の明細を混在した伝票を作りたくなる事 もあるでしょう。そこでJPiereでは、摘要科目(旧料金タイプ)を使用して プライスリストで選択されている、伝票単位の内税か外税かの処理に関 わらず、どちらでも処理ができるようにしました。 JPiereでは、摘要科目を使用する事で、伝票明細に税込みと税抜きの明細 を混在させる事ができます。

参照

消費税のレポート

 消費税を計算&集計し、申告書をスームーズに作成できるようにJPiereでは消費税に関するレポートを多数提供しています。特に、JPiereでは仕訳データに消費税の申告に必要となる情報を保持するようにしていますので、【JPIERE-0484】仕訳帳ピボットを活用すると自由に仕訳データをクロス集計して消費税関連の情報を確認できるのでとても便利です。

参照

 基本的に、仕訳帳ピボットを活用して頂ければ、消費税の確認は十分ではないかと思いますが、仕訳帳ピボットを開発する前に、消費税関連のレポートして下記のようなレポートを作成しています。

申告書の作成について

 家電量販店で購入できる会計ソフトの多くに消費税や法人税の申告書の作成機能がついている影響だと思いますが、たまに「税金の申告書は作成ができますか?」という質問を受けます。

 iDempiere/JPiereだけでなく、多くのERPはグローバル展開できるシステムという事を重視する傾向にありますので、税金の申告書の作成というローカル対応は基本的に標準機能では提供されないケースがほとんどだと思います。

 iDempiere/JPiereでは、税金の申告までしっかりと念頭において導入する事により、税金の申告書を作成するのに必要となる情報をスムーズに取得する事ができます。そのため、iDempiere/JPiereにある情報をもとに申告書までレポテーティングツールを使って作成する事はできると思いますが、ERPの導入を検討する多くの企業では税理士もしくは会計士など会計の専門家と顧問契約しており、会計の専門家が申告書の作成を行っている(もしくは社内の経理担当者が申告書まで作成できる)と思いますので、ERPで申告書の作成までを行う必要性は無いのではないかと考えています。

 それに税金に関する法改正は頻繁に行われますので、申告書の作成までシステムで対応しようとすると、保守費がかさみ費用対効果は良くありません。

 そのため、税金の申告書の作成は専門家に任せて、システムではその申告書を作成するために必要となる情報の提供までと切り分けてJPiereは開発しています

JPiere消費税関係カスタマイズ一覧

関連するコンテンツ