【ADempiere/iDempiere Lab】直送(Drop Ship)

 Compiere(コンピエール)の時から直送(Drop Ship)の機能はありましたが、ADempiere(アデンピエレ)になって、いくつか改良されているようなので、ここにまとめておきたいと思います。

Step:1受注伝票(Sales Order)を作成する

 業務を考えた時に、直送は受注がスタートになります。受注伝票は通常通り起票します。

受注先の取引先(C_BPartner_ID)と、納品先の取引先(Dropship_BPartner_ID)が異なる場合は、納品先選択(IsDropShip)フラグをONにします。

 

 ここで注意が必要になるのが、今は直送の話をしているので、納品先=直送先として、"Dropship_BPartner_ID"や"IsDropShip"というDrop Ship(直送)とつくカラムにデータを入力するのに違和感はないかもしれませんが、受注伝票ではこれらのカラムは直送に限らず、受注先の取引先と、納品先の取引先が異なる場合に使用するという事です。そのため、翻訳も意識して"直送"という言葉は使っていません。

受注伝票(C_Order)
受注伝票(C_Order)イメージ

Step2:受注伝票から発注伝票作成(Generate PO from Sales Order)プロセスを実行する

 受注伝票から発注伝票作成プロセスでは、受注伝票の情報をもとに発注伝票を作成する事ができます。このプロセスは必ずしも"直送"のためにあるわけではないので注意が必要です。業務的には直送でなくても、受注してから発注する事はありえますので、このプロセスの用途は直送に限ったものではありません。

フィールド名 カラム名 説明
注文日付  DateOrdered 受注伝票の注文日付を抽出条件として発注伝票を作成したい場合に設定します。
取行先  C_BPartner_ID 取引先を抽出条件として受注伝票を抽出し、発注伝票を作成したい場合に設定します。
仕入先  Vendor_ID 仕入先を限定して発注伝票を作成したい場合に設定します。ここで指定する仕入先は、受注伝票明細に入力されている品目マスタの購買情報タブに設定されている仕入先です。
受注伝票  C_Order_ID 受注伝票を指定して発注伝票を作成したい場合に使用します。 
直送

IsDropShip

作成する発注伝票の直送(IsDropShip)フラグをONにするかどうか選択します。受注伝票の抽出条件ではありませんので注意が必要です。

 受注伝票の情報から発注伝票を作成する際に、受注伝票のリンク受発注伝票(Link_Order_ID)フィールドには、発注伝票のID(C_Order_ID)が代入され、発注伝票のリンク受発注伝票(Link_Order_ID)フィールドには受注伝票のID(C_Order_ID)が代入されます。

Step3:発注伝票(Purchase Order)を完成にする

 受注伝票から発注伝票作成プロセスを実行すると伝票ステータスが"草案(Draft)"の発注伝票(Purchase Order)が作成されます。発注伝票が意図通り作成されているかどうか確認して、伝票ステータスを完成にします。

 

 受注伝票から発注伝票作成プロセスで直送(IsDropShip)フラグをONにすると、発注伝票の直送(IsDropShip)フラグがONになります。そして受注伝票(Sales Order)の納品先選択(IsDropShip)フラグがONで、納品先取引先(Dropship_BPartner_ID)の情報が入力されている場合は、直送先取引先(Dropship_BPartner_ID)に情報が引き継がれます。そうでない場合は、直送先取引先(Dropship_BPartner_ID)には、受注伝票の取引先(C_BPartner_ID)の情報が引き継がれます。

発注伝票(C_Order)
発注伝票(C_Order)イメージ

Step4:入荷伝票を発注伝票を参照して作成し、完成させる

 発注伝票を参照して入荷伝票(Material Receipt)を作成し、入荷伝票の直送(IsDropShip)フラグをONにして、入荷伝票を完成にすると、出荷納品伝票(Material Shipment)も自動作成されます。

カスタマイズポイント

 受注伝票から発注伝票作成(Generate PO from Sales Order)プロセスは、単純に受注伝票から発注伝票を作成するプロセスですから、これを直送の業務に使用しやすいように使おうとするとModificationを含めたカスタマイズを行う必要があるでしょう。

参考サイト

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