JPiere/iDempiereの活用法(SIerの皆様へ)

JPiereは、オープンソースのERP iDempiereを日本の商習慣に対応させて、iDempiereでの普及と、日本社会のより良い発展を目的に開発していますが、パッケージシステムという特性上、機能は汎用的に作らざるを得ませんし、ERPという非常に広範囲な業務管理をカバーする特性上、ユーザー企業が望むすべての機能を予め実装しておくことは不可能です。

そのため、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれるシステム導入を行う会社の皆様にJPiereを活用してもらい、JPiereをユーザー企業の業務あうようにカスタマイズして欲しいと思っています。

そこでこのコンテンツではJPiere/iDempiereバージョンアップの指針を前提に、SIerの皆様がJPiereをカスタマイズするにあたり、どのように開発及びメンテナンスしていけばよいのか、その指針をいくつか提示したいと思います。

【活用パターン1】SIerベースプラグイン + ユーザー企業独自カスタマイズのプラグイン

独自に開発した汎用的な機能をSIerベースプラグインとして、JPiereのベースプラグインの上に配置し、その上にユーザー企業独自にカスタマイズした機能のプラグインを配置します。

活用パターン1のイメージ図
活用パターン1のイメージ図

このパターンではユーザー企業独自のカスタマイズを1つのプラグインにしますので、ユーザー企業毎の保守性が向上します。

そして、汎用的に使用できる機能をSIerベースプラグインとする事で、他のユーザー企業に対してもより充実した機能を初期状態で提供する事ができますので、導入工数を少なくする事ができます。

【活用のポイント】

SIerベースプラグインのアプリケーション辞書の設定は2Packを使用して、他の環境に移植できるようにしておいて下さい。そうする事で、新規の導入プロジェクトで、常に最新のJPiere/iDempiereを使用する事ができますので、JPiere/iDempiereの新機能や不具合修正を取り込んだベストな状態でプロジェクトを開始する事ができます。

活用パターン2:JPiereベースプラグインをユーザー企業向けにカスタマイズ

JPiereのベースプラグインの中に配置します。ユーザー企業独自のカスタマイズも含める方法です。

活用パターン2のイメージ図
活用パターン2のイメージ図

JPiere/iDempiereバージョンアップの指針では、JPiereベースプラグインのバージョンアップは、最新のJPiereのベースプラグインにする作業ではなく、最新のiDempiereで動作するようにする事を推奨しています。そうであれば、JPiereベースプラグインを自由にカスタマイズしても、バージョンアップ作業自体はなんらかわる事はありません。

 JPiereのベースプラグイン自体を大幅にカスタマイズしたい場合や、反対に小規模な開発で済む場合、ユーザー企業が主体となってJPiereの導入を行う場合など適用できる方法です。

活用パターン3:特定の業界に特化したプラグインを開発する

この活用パターンは、イメージ的には活用パターン1とほとんど同義です。ERPはどの業界、どの企業でも使用できるように機能が汎用的に作られています。その反面、汎用的に作られているパッケージシステムだからこそ、特定の業界で必要となるような機能が実装されていない場合もありえます。

特定の業種・業界で必要となる機能を予めプラグインとして持っている事で、他のSIerとの差別化にもなります。

活用パターン3のイメージ図
活用パターン3のイメージ図

【活用のポイント】

特定の業種・業界に特化した機能を持っている事はSIerの強みであり、他のSIerとの差別化になります。特定の業種・業界に特化した機能のアプリケーション辞書の設定を2Pack化しておいて、最新のJPiere/iDempiereに移植できるようにしておく事をオススメします。

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