【JPIERE-0556(v9)】青色申告書の提出の承認を受けようとする法人の帳簿の記載事項を可能な限り仕訳帳に保持する

 青色申告を行う法人は、仕訳帳総勘定元帳・その他必要な帳簿を保存することとなっています。そして、法人税法施行規則 - 別表二十一では「青色申告書の提出の承認を受けようとする法人の帳簿の記載事項」(以下、法人の帳簿の記載事項)として、帳簿に記載する内容毎にその記載事項を定めています。

  iDempiere/JPiereにおいては、システム全体として、法人の帳簿の記載事項は全て保持しているといって問題ないと思いますが、法令対応するためのデータを明確にしてさらに、保存しなければならないデータの範囲が少ないと、色々と便利だと思います。

 そこで、JPiereでは仕訳帳に可能な限り法人の帳簿の記載事項を保持して、仕訳帳だけでほぼ法令対応出来ている状態にしました。

【補足説明】「可能な限り」と「ほぼ」としていることについて

「仕訳帳に可能な限り法人の帳簿の記載事項を保持して、仕訳帳だけでほぼ法令対応出来ている状態にしました。」と"可能な限り"と"ほぼ"しているのは、法人の帳簿の記載事項の"現金の出納に関する事項"について「取引の年月日、事由、出納先及び金額並びに日々の残高」とあり、日々の残高は仕訳に保持する情報ではないためです

 この日々の残高については、総勘定元帳などのレポートで対応する方針です。

【ポイント】仕訳帳のデータと一部のレポートだけで法人帳簿の記載事項を満たし法令対応する‼

 iDempiereでは総勘定元帳は、仕訳帳のデータをもとに一覧レポートとして表示します。仕訳帳のデータを保存しておければ総勘定元帳は表示できます。

 そして仕訳帳に法人の帳簿の記載事項として求められる情報を可能な限り保持して、総勘定元帳などのレポートで、足りない情報が表示できれば、データとしては仕訳帳のデータだけで法令対応できることになります。

仕訳帳のデータがあれば法令対応できるようにするのがこのカスタマイズの目的です!

カスタマイズ内容

仕訳帳に、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすためのカラムを追加

仕訳帳ウィンドウ
仕訳帳ウィンドウ

◆単価[JP_PriceActual]

(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項で、帳簿の記載事項として"単価"が求められているために追加。

◆摘要科目[JP_Charge_ID]

多くの事項で、帳簿の記載事項として"事由"とあり、摘要科目がその事由としての意味合いもあるため追加。

◆アカウント[JP_BankAccount_ID]

(二)当座預金の預入れ及び引出しに関する事項において、預金の口座別に帳簿に記載することとあり、大原則として口座ごとに勘定科目を用意する想定のためそれだけで、この要件を満たしていると思われるが、同時にアカウントの情報も仕訳帳に保持できるようにした。

 

出納帳明細に、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすためのカラムを追加

出納帳でも売上や費用を計上することもあるために、主に、(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項の要件を満たすための項目を追加しました。

出納帳明細
出納帳明細

◆単価[JP_PriceActual]

(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項で、帳簿の記載事項として"単価"が求められているために追加。

◆品目マスタ[JP_Product_ID]

(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項で、帳簿の記載事項として"品名その他給付の内容"が求められているために追加。

◆数量[JP_Qty]

(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項で、帳簿の記載事項として"数量"が求められているために追加。

◆数量単位[JP_UOM_ID]

(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項で、帳簿の記載事項として"数量"が求められているため、その単位も記録しておくために追加

 

振替仕訳伝票明細に、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすためのカラムを追加

振替伝票では、ありとあらゆる取引が入力される事を想定して、法人の帳簿の記載事項の要件を満たす項目を追加しました。

振替仕訳伝票明細
振替仕訳伝票明細

◆単価[JP_PriceActual]

(十一)売上げに関する事項(十三)仕入れに関する事項で、帳簿の記載事項として"単価"が求められているために追加。

◆アカウント[JP_BankAccount_ID]

(二)当座預金の預入れ及び引出しに関する事項において、預金の口座別に帳簿に記載することとあり、大原則として口座ごとに勘定科目を用意する想定のためそれだけで、この要件を満たしていると思われるが、同時にアカウントの情報も仕訳帳に保持できるようにしたので、勘定科目(勘定科目エレメント)にアカウントが結びついている場合に、そのアカウントの情報も仕訳帳に引き継ぐようにしました。

勘定科目エレメント
勘定科目エレメント

【法人税法施行規則】別表二十一 青色申告書の提出の承認を受けようとする法人の帳簿の記載事項

(一) 現金の出納に関する事項

取引の年月日、事由、出納先及び金額並びに日々の残高

 現金の出納に関する事項は、JPiereにおいては、出納帳もしくは振替仕訳伝票を使用して入力することを想定しています。

 いずれを使用する場合でも、取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、出納先は取引先フィールド、金額は各種金額フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている事項を保持し、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

【ポイント】日々の残高

日々の残高は仕訳に保持するような情報ではありませんので、JPiereにおいては総勘定元帳で対応する方針です。

参照

 

(二) 当座預金の預入れ及び引出しに関する事項

預金の口座別に、取引の年月日、事由、支払先及び金額

 当座預金に関する事項は、JPiereにおいては、出納帳もしくは振替仕訳伝票を使用して入力することを想定しています。

 預金の口座別の把握方法としては、仕訳の勘定科目をアカウント毎(=預金毎)に作成することで対応するのを想定しています。そして、取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、支払先は取引先フィールド、金額は各種金額フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている事項を保持し、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

(三) 手形(融通手形を除く。)上の債権債務に関する事項

受取手形、支払手形別に、取引の年月日、事由、相手方及び金額

 手形に関する事項は、JPiereにおいては、出納帳もしくは売上請求伝票、仕入請求伝票を使用して入力することを想定しています。

◆出納帳での入力

 出納帳での入力においては、アカウントフィールドにて、受取手形と仕入手形を区分する事ができます。そして、取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、相手方は取引先フィールド、金額は各種金額フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている事項を保持し、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

◆売上請求伝票/仕入請求伝票

 JPiereでは、売上請求伝票を使用すると、取引先の自動仕訳の勘定科目設定に応じて受取手形勘定に計上できます。同じく仕入請求伝票では支払手形勘定に計上できます。

 取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、相手方は取引先フィールド、金額は各種金額フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている事項を保持し、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

(四) 売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含む。)に関する事項

売上先その他取引の相手方別に、取引の年月日、品名その他給付の内容、数量、単価及び金額

 売掛金に関する事項は、JPiereにおいては、売上請求伝票を使用して入力することを想定しています。取引の相手方の情報は取引先フィールドに、取引の年月日は転記日付フィールドに、品名その他の給付の内容は、品目マスタフィールドもしくは摘要科目フィールドに、数量や単価は、それぞれ対応する各種フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている事項を保持することができ、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(五) 買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含む。)に関する事項

仕入先その他取引の相手方別に、取引の年月日、品名その他受けた給付の内容、数量、単価及び金額

 買掛金に関する事項は、JPiereにおいては、仕入請求伝票を使用して入力することを想定しています。取引の相手方の情報は取引先フィールドに、取引の年月日は転記日付フィールドに、品名その他の給付の内容は、品目マスタフィールドもしくは摘要科目フィールドに、数量や単価は、それぞれ対応する各種フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている事項を保持することができ、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(六) (二)から(五)までに掲げるもの以外の債権債務に関する事項

貸付金、借入金、預け金、預り金、仮払金、仮受金、未収入金、未払金等に、それぞれ適当な名称を付して区分し、それぞれ、その取引の年月日、事由、相手方及び金額

 その他の債権債務については、JPiereでは、売上請求伝票、仕入請求伝票、出納帳、振替仕訳伝票などを使用して入力する事を想定しています。いずれも勘定科目を使用して区分する事ができ、取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールドや場合によっては品目マスタフィールドや摘要科目フィールド、相手方の情報は取引先フィールド、金額は各種金額フィールドに入力することで、仕訳帳にここで求められている情報を保持することができ、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(七) 有価証券(商品であるものを除く。)に関する事項

取引の年月日、事由、相手方、銘柄、数量、単価及び金額

 有価証券については、振替仕訳伝票で入力するのを想定しています。取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、銘柄は品目マスタフィールドもしくはその他のマスタフィールド、数量は数量フィールド、単科は単価フィールド、金額は借方もしくは貸方の金額として入力することで、仕訳帳に記帳される仕訳に有価証券に関する事項として求められている情報を保持することができ、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(八) 減価償却資産に関する事項

減価償却資産については、第十四条各号(償却の方法の選定の単位)に掲げる減価償却資産の区分に応じ当該各号に掲げる種類の区分(その種類につき耐用年数省令別表(第十九条第二項(種類等を同じくする減価償却資産の償却限度額)の規定の適用を受ける場合には、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の一部を改正する省令(平成二十年財務省令第三十二号)による改正前の耐用年数省令別表)において構造若しくは用途又は細目が定められているものについては、その構造若しくは用途又は細目の区分とし、二以上の事業所又は船舶を有する法人で事業所又は船舶ごとに償却の方法を選定している場合にあつては、事業所又は船舶ごとのこれらの区分とする。)ごとに、かつ、耐用年数省令に定める耐用年数の異なるものについてはその異なるごとに区分し、それぞれ、その取引の年月日、事由、相手方、数量及び金額

 減価償却資産の取得に関しては、仕入請求伝票か振替仕訳伝票を使用するのを想定しています。いずれを使用する場合でも、ここで求めれれている要件に応じて、仕入請求伝票や振替仕訳伝票を入力することで、仕訳帳に記帳される仕訳にも同様の情報が引き継がれて、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(九) 繰延資産に関する事項

その種類ごとに区分し、それぞれ、その取引の年月日、事由及び金額

 繰延資産の計上は、仕入請求伝票もしくは振替仕訳伝票を使用するのを想定しています。区分は品目マスタもしくは勘定科目により区分し、取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、金額は対応する各種金額フィールドに入力することで、仕訳帳に記帳される仕訳にも同様の情報が引き継がれて、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(十) (一)から(四)まで及び(六)から(九)までに掲げるもの以外の資産(商品、製品、消耗品、その他棚卸しにより整理するものを除く。)に関する事項

取引の年月日、事由、相手方、数量及び金額

 その他の資産計上は、仕入請求伝票もしくは振替仕訳伝票を使用するのを想定しています。取引の年月日は転記日付フィールド、事由は説明フィールド、相手方は取引先フィールド、数量及び金額はそれぞれに対応しているフィールドに入力することで、仕訳帳に記帳される仕訳にここで求められている事項が引き継がれて、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(十一) 売上げ(加工その他の役務の給付等売上げと同様の性質を有するものを含む。)に関する事項

取引の年月日、売上先、品名その他給付の内容、数量、単価及び金額並びに日々の売上総額。ただし、小売その他これに類するものを行う法人の現金売上げで本文の規定により難いものについては、日々の現金売上げの総額並びに売上先又は売上先を記載し難いものについてはこれに代えて取引回数を記載し、品名その他給付の内容、数量、単価又は金額のうち、その記載し難いものを省略することができる。

 売上の計上は、売上請求伝票を中心として、売上計上伝票、出納帳、振替仕訳伝票で計上することを想定しています。いずれで計上する場合でも、取引の年月日は転記フィールド、売上先は取引先フィールド、品目その他給付の内容は品目マスタフィールドか摘要科目フィールド、数量、単価及び金額は、それぞれ対応する各フィールドに入力することで、仕訳帳に記帳される仕訳にここで求められている事項が引き継がれて、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(十二) (十一)に掲げるもの以外の収入に関する事項

取利息、雑収入等に、それぞれ適当な名称を付して区分し、それぞれ、その取引の年月日、事由、相手方及び金額

 その他の収入も、基本的に(十一)売上に関する事項と同様の処理で、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

 

(十三) 仕入れに関する事項

取引の年月日、仕入先その他の相手方、品名その他給付の内容、数量、単価及び金額並びに日々の仕入総額

 仕入れの計上は、仕入請求伝票を中心として、仕入計上伝票、出納帳、振替仕訳伝票で計上することを想定しています。いずれで計上する場合でも、取引の年月日は転記フィールド、仕入先は取引先フィールド、品目その他給付の内容は品目マスタフィールドか摘要科目フィールド、数量、単価及び金額は、それぞれ対応する各フィールドに入力することで、仕訳帳に記帳される仕訳にここで求められている事項が引き継がれて、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

(十四) (十三)に掲げるもの以外の経費に関する事項

賃金、給料手当、法定福利費、厚生費、外注工賃、動力費、消耗品費、修繕費、減価償却費、繰延資産の償却費、地代家賃、保険料、旅費交通費、通信費、水道光熱費、手数料、倉敷料、荷造包装費、運搬費、広告宣伝費、公租公課、機密費、接待交際費、寄附金、利子割引料、雑費等に、それぞれ適当な名称を付して区分し、それぞれ、その取引の年月日、支払先、事由及び金額。ただし、少額の経費で本文の規定により難いものについては、それぞれその日々の合計金額のみを記載することができる。

 その他の経費については、基本的に(十三)仕入に関する事項と同様の処理で、法人の帳簿の記載事項の要件を満たすことができます。

 

カスタマイズ情報

追加カラム

◆FactAcctテーブル

  • 単価[JP_PriceActual]
  • 摘要科目[JP_Charge_ID]
  • アカウント[JP_BankAccount_ID]

◆C_BankStatementLineテーブル

  • 単価[JP_PriceActual]
  • 品目マスタ[JP_Product_ID]
  • 数量[JP_Qty]
  • 数量単位[JP_UOM_ID]

◆JP_BankDataLineテーブル

  • 単価[JP_PriceActual]
  • 品目マスタ[JP_Product_ID]
  • 数量[JP_Qty]
  • 数量単位[JP_UOM_ID]

◆GL_JournalLineテーブル

  • 単価[JP_PriceActual]

◆I_GLJournalJPテーブル

  • 単価[JP_PriceActual]

修正クラス

◆jpiere.base.plugin.org.adempiere.base.JPiereContractInvoiceValidator

契約管理の機能で、売上請求伝票/仕入請求伝票から振替仕訳伝票を作成する時に、単価の情報を振替仕訳伝票に引き継ぐように修正しました。そして、消費税の見越/繰延の処理において、税金情報マスタと課税標準額、税額の情報を引き継ぐようにしました。

関連するコンテンツ

◆jpiere.base.plugin.org.adempiere.base.JPierePaymentModelValidator

支払伝票/入金伝票のアカウントと摘要科目の情報を仕訳に引き継ぐように修正しました。

◆jpiere.base.plugin.org.compiere.acct.Doc_BankStatementJP

 出納帳明細の摘要科目フィールドが入力されている時に、品目、数量、数量単位、単価の情報を仕訳に引き継ぐようにしました。またアカウントの情報を仕訳に引き継ぐようにしました。

◆jpiere.base.plugin.org.compiere.acct.Doc_GLJournalJP

単価の情報を仕訳に引き継ぐようにしました。

◆jpiere.base.plugin.org.compiere.acct.Doc_InvoiceJP

売上請求伝票/仕入請求伝票の摘要科目と単価の情報を仕訳に引き継ぐようにしました。

◆jpiere.base.plugin.org.compiere.acct.Doc_JPRecognition

売上計上伝票/仕入計上伝票の摘要科目と単価の情報を仕訳に引き継ぐようにしました。

参考サイト