iDempiere(アイデンピエレ)の歴史

2019年

 

2018年

2017年

※2017年はBossie Awordsの業務アプリケーションの表彰自体が行われなかった。

2016年

2015年

2014年

11月1日 iDempiere2.1 版公開

2013年

11月1日 iDempiere2.0 版公開

6月27日 iDempiere1.0c 版公開

4月 iDempiere1.0b版公開

2012年

11月 iDempiere1.0a版公開

2011年

4月 ADempiereからフォークし、SourceForgeにiDempiereプロジェクトが誕生する

iDempiereに至るまでの歴史

iDempiere(アイデンピエレ)歴史は1999年に始まります。iDempiereには前身にあたるソフトが2つ存在し、1つがADempiereアデンピエレ)で、もう1つがCompiere(コンピエール)というソフトです。1999年はCompiereがオープンソースのERPとして公開された年になります。

 

Compiereはソースコードの公開後、開発コミュニティーと、開発の中心人物であったヨルグ・ヤンケ (Jorg Janke)氏が設立したComPiere社(※社名を表すCompiereは"P"を大文字にするのが慣習)が中心になって開発が進められます。Compiereは2002年から4年間、SourceForge(※オープンソースのソフトウェア開発のためにデータの保管と各種サービスを提供しているサイト)のTOP10プロジェクトにランキングされ、2006年には100万ダウンロードを達成するなど、オープンソースのERPとして注目を集めます。しかし、2006年にComPiere社がベンチャーキャピタルから出資を受けると、Compiereは商業化を強く模索するようになります。このComPiere社の商業化の方針に異を唱えた開発コミュニティーのメンバーが2006年にCompiereから分離して、CompiereをもとにしてADempiereの開発を始めます。

 

商業化に舵を切ったCompiereは求心力を失い、ComPiere社は2010年6月にConsona社に買収され、そのConsona社は2012年8月に、CDC Software社と合併してAptean社となっています。ERPソフトとしてのCompiereは現在も存在していますが、オープンソースとして提供されているのは2009年に公開されたバージョン3.3までで、これ以降2013年2月現在の最新バージョン3.8に至るまでソースコードは公開されていません。今後も最新バージョンのソースコードが公開されるかどうかは不明であり、CompiereにはオープンソースのERPとしての発展は期待できない状況です。

 

Compiereの商業化後、注目を集めたのがADempiereです。ADempiereは、オープンソースとしての精神を大切にしながら開発が進められ、Compiereに代わってオープンソースERPのデファクトスタンダードになっていきます。

オープンソースとしての精神を大切にして開発が進められ、ある一定の成功を収めたとも評価できるADempiereですが、開発コミュニティーの内部はその開発方針により2分されて行きます。一方は業務アプリケーションとの性質を重んじなるべく不具合の無い状況でソースコードをコミットしようと考える開発グループと、一方はオープンソースとしての性格を利用し、不具合はソフトの利用者が発見し報告してくれれば良いとして、それほど品質の良くないソースコードもリポジトリにコミットしようとする開発グループです。

そして2011年頃、前者のグループに属する開発者の少数がADempiereを独自に開発しはじめ、OSGi(※プラグイン構造を実現するための仕様)の概念をプラスしたiDempiereに発展して行きます。今ではADempiereのトップコミッターの多くがiDempiereに移行して開発が行われており、iDempiereは実質的にADempiereの後継となるオープンソースのERPとなっています。